亀頭や包皮に白やピンク色のブツブツ(イボ)が現れたら尖圭コンジローマの可能性があります
保険会社に勤める智之さん(仮名:30代後半)は仮性包茎のため、お風呂でペニスを洗う際には、包皮を剥きながら下ろして、指の腹を使って優しく撫でるように洗っています。
そんなある晩のこと、いつも通りペニスを洗おうとしたところ、裏返しとなったペニスの皮の表面にザラついた感触がしました。
シャワーで石鹸を流してよく見てみると、小さな白っぽいブツブツ(イボ)がたくさんあるのを発見し、一人きりのお風呂で思わず「なんじゃ、こりゃ〜!?(松田優作っぽく)」と叫んでしまいました。
智之さんは以前にもペニスにブツブツができて、泌尿器科で性器ヘルペス(←リンク先に病変部の画像あり)と診断された経験がありますが、今回のブツブツはその時のものと形状が違っていました。
場所が場所だけに、「これが普通の汗疹とか湿疹のはずがない!」と滅茶苦茶不安になった智之さんは、翌朝、「熱がある」という適当な理由で欠勤し、ダッシュで泌尿器科のクリニックを受診しました。
「看護師も一緒に俺のチンコをマジマジと観察するのだろうか? 不覚にも勃起してしまったらどうしよう…? どうせなら桐谷美玲に似た看護師に見られたいな♪」などと別の不安や希望(?)も湧いてきましたが、幸い、医師は智之さんをベッドで横するとカーテンを閉め、先生だけが病変を観察することになりました。
智之さんのペニスを見た医師は、10秒もしないうちに「これは尖圭コンジローマというSTD、わかりやすく言うと性病の一つだね。この病気が原因でどうかなった人はいないから、そんなに心配しなくてもいいよ」と診断を下しました。
「センケイ●◇×…? なんか聞いたことない病名だけど、性病ってことは俺、彼女とセックスしたときにあいつから病気もらったんだろうか…?」と新たな疑問が湧いてきたようです。
今回、智之さんが感染した「尖圭コンジローマ」は、原因病原体であるHPV(ヒトパピローマウイルス)が、ペニスや肛門、女性の膣などの粘膜に感染して、1ミリから3ミリ程度の小さなブツブツができる性病です。
ブツブツは上の写真のように白っぽい、もしくはピンク色をしており、先端が尖っているのが特徴で、その形状から家庭の医学書などでは「鶏のとさか」に例えられていることもあります。ブツブツが密集してできると、写真右側の病変のようにカリフラワーのような塊を形成します。
ブツブツは、体の表面の暖かく湿っているところにできやすく、特に智之さんのような仮性包茎あるいは真正包茎の人は包皮の内側にできる傾向にあります。
女性では外陰部、膣壁、子宮頸部、膣周辺の皮膚などが好発部位とされています。そのほか肛門の周囲は男女共通して、ブツブツが現れることがあります。
ブツブツ自体は痛みやかゆみなどの症状を起こさないので、視覚的に病変を確認しやすい男性はともかく、女性の場合は放置したまま本人が知らない間に感染源となっていることもあります。性器ヘルペスと同様に病気やストレスなどで免疫力が低下すると、再発を繰り返すのがこの病気の厄介なところです。
尖圭コンジローマは、セックスで性器同士が直接触れ合うことでHPV(ヒトパピローマウイルス)の6型と11型に感染することで発症します。ちなみに16型と18型のHPV(ヒトパピローマウイルス)は子宮頸がんの原因として有名です。
日常生活においてセックス以外の場面でHPVに感染することはありませんが、ブツブツやイボは性器以外の場所にも発生するので、コンドームを着用していてもHPVの感染を防げない場合があります。膣や肛門などの病変に指で直接触れないように注意しましょう。
病原体のウイルスに感染してから発症するまで、数週間〜半年と長い期間がかかる場合があるので、現在交際しているパートナーが、あなたと付き合う前のパートナーから移された可能性も十分あります。したがって、「二股かけてるんじゃないか?」「浮気してるんじゃないか?」と疑心暗鬼になるのはあまり意味がありません。
ペニスにできた尖圭コンジローマは、ウイルスの増殖を抑制するイミキモド(製品名:ベセルナクリーム5%)という軟膏を4週間ほど使用すれば、ほとんどの人が治ります。従来はイボの切除などの外科療法しか治療の選択肢がありませんでしたが、イミキモドの登場により患者さんの負担は大きく軽減されました。
なお陰部にできるブツブツやイボとして尖圭コンジローマと紛らわしいのが、フォアダイス(写真参照)と呼ばれる脂肪のかたまりです。フォアダイスは大きさや発生場所も尖圭コンジローマと似ていますが、性病ではないため心配ありません。
フォアダイスは表面がなめらかな白色の粒状となっており、皮膚の下にある脂肪がうっすらと透けて見えるのが特徴です。ただしフォアダイス以外の皮膚疾患の可能性もありますので、自己判断しないで泌尿器科や皮膚科、女性は婦人科を受診しましょう。
エッチの際に彼女のアソコにブツブツを発見したが痛恨のスルー!その結果、尖圭コンジローマに
他大学との合同新歓コンパで知り合った年下との彼女と交際を始めて2か月くらいたった頃かなぁ。彼女の部屋でイイ感じになって、初めてセックスをしたんですよ。
それでクンニをしようと思って何気なく彼女のアソコを見たら、米粒状のブツブツがあったんですね。流石にこれを舌先で触れるのは躊躇したので、「なんかブツブツがあるけど、かゆいとか痛いとかないの?」って訊いたんですよ。
彼女は「2週間ほど前からブツブツができたみたいだけど、痛いとかの症状もないし、数も増えてないから大丈夫じゃない? しばらくしても治らないようだったら病院(婦人科)に行くかも」とたいしても気にも留めていないようでした。
これなら大丈夫か、とクンニは止めたもののセックスを最後まで続行しました。今思えば、これが痛恨のミスでしたね。まぁ、こっちもやる気満々だったんで、一度始めたセックスを途中で止めるのは至難の業だったんですが(苦笑)。
このセックスから3週間くらい経った頃ですかね、オ○ニーしようと思ってトランクスを下ろしたら、指先が玉袋の裏側で凹凸に触れるんですよ。スマホのカメラでパシャッと玉袋を自撮りしてみると、彼女のアソコにできたのと同じ米粒状のブツブツが自分の玉袋にもあるじゃないですか!しかも、指先をお尻の方に這わせてみると、肛門の周囲にも同じようなブツブツに触れたんです。
僕は性病のことは詳しくなかったけど、この時点で「嗚呼、彼女から性病を貰っちゃったかな」と悟りましたね。翌日、覚悟を決めて泌尿器科(性病科、皮膚科でもOK)の先生に診てもらったら、案の定「これは尖圭コンジローマという性病ですね〜」という診断をくだされました。
先生曰く、「尖圭コンジローマはセックスで良性型のHPV(ヒトパピローマウイルス)に感染するのが原因」とのことで、痛みや痒みはほとんどないけれど、何度も再発する可能性のある厄介な病気という説明がありました。
不幸中の幸いだったのは、昔は手術(ブツブツを冷凍して除去、もしくはレーザーで焼く)が治療の中心だったため、手術中の苦痛や手術後にペニスに傷跡が残ったりするケースが多かったみたいだけど、現在はイミキモド(商品名:ベセルナクリーム5%)という軟膏を塗るだけで治るということ。
ただ僕の場合、ブツブツがキレイに無くなってもう大丈夫かなと思った頃に一度再発してしまったんですよ。なんでも尖圭コンジローマの患者の4人に1人は初発から3か月以内に再発するそうです。今はもう完全に治りましたが、また再発するんじゃないかと不安になるので、セックスに臆病になりましたね。
チンコの亀頭ならまだコンドームで覆えるから彼女への感染を予防できるけど、女性のアソコや肛門にできた病変は、指で触れても感染のリスクがあるっていうから、ホント面倒くさい性病ですね、尖圭コンジローマは。
当時は彼女も並行して治療を受けることになったので、セックスはできないし、そもそも彼女は誰から病気を貰ったのかという疑いの目で見ていたこともあり、二人の関係はしばらくの間、なんだか微妙になりましたね。
彼女の検査ですか?婦人科で膣分泌液を採取して、HPV(ヒトパピローマウイルス)の感染を確認したと言ってました。凄い恥ずかしかったらしいです。苦痛を伴うような症状はないものの、女性の尖圭コンジローマは母子感染のリスクもあるから、早目の治療が大切って言われたみたいです。
この一件以来、セックスの際にはどちらが意識するまでもなく、アソコにブツブツができていないかを自然に確認するようになりました。ちょっと前までは「性病?プギャー!m9(^Д^ )」って感じで風俗で遊んでいる人たちを嘲笑っていたんですけど、まさかこんな身近に存在するものとは思ってもいませんでしたね。マジで反省してます。