射精前のガマン汁に性病のウイルスや菌が混じっているため、膣外の射精はあまり意味がありません
性病の感染から身を守り、またパートナーに移さないために重要なのは、ウイルスや菌の感染経路を絶ってしまうことです。最も手軽かつ効率的な方法は、セックスの際に男性がコンドームを装着することです。ベッドの上でも紳士然とした態度を示すためには、日本男児たるもの、彼女にお願いされるまでもなくサッとコンドームを着用したいものです。
ほかのページでも触れましたが、キス、肛門周囲の病変に指が触れるなど、性器同士以外の接触でも感染する性病は複数あるので、コンドームを装着したからといって性病を完全にガードできるわけではありません。それでも無防備なセックスを行う場合に比べて、感染リスクを平均で1/4以下に下げることができるとされています。
しかし、残念なことに10代、20代の若い男女間で性病は蔓延しています。これはすなわちコンドームを使用する男性が少ないことを意味しますが、その背景には今やPCやスマホなどでどこでも手軽に見られるようになったAVの影響があります。ジャンルに関係なく、AVに出演している男優が本番中にコンドームを装着するシーンなどおそらくないでしょう。
ほとんどの作品では、ペニスをそのまま膣に挿入し、性的な興奮がMAXに差し掛かったところでペニスを膣外に引き抜いて、女優の腹部や顔に射精しているはずです。現代の若い男性のなかには、これが「セックスの本来あるべき姿」、「膣外に射精(外出し)すれば性病も妊娠の心配もない」と勘違いしている割合が非常に高いように思われます。
男性が性病に感染していた場合、ウイルスや菌は精液の中に存在しています。膣外に射精すれば、膣内に精液が入るのを未然に防いでいることになりますので、女性の感染リスクをある程度は抑えることはできます。
しかし、注意したいのは、男性は射精前の興奮状態を迎えるとカウパー腺液(男性諸君はガマン汁と聞けばピンとくるでしょう)というヌルヌルした透明の液体がペニスから漏れ出てきます。カウパー腺液は、これからやってくる射精に備えてペニスの尿道内を洗浄したり、女性の膣内(酸性)を中和することで精子を働きを守るという役割を担っているのです。
しかし、このカウパー腺液には精子をはじめ、性病を引き起こすウイルスや菌も含まれているのです。つまり、射精はしなくてもカウパー腺液がペニスの先から出ている状態で膣内に挿入すれば、性病に感染する可能性は十分にありますし、妊娠することもあるのです。
女性が性病を持っている場合も同様で、ペニスを挿入する前からコンドームを着用していなければ、感染予防、避妊の高い効果を期待することはできないのです。
百戦錬磨の男性なら射精をギリギリの限界まで我慢することは可能でしょうが、ガマン汁の分泌までコントロールすることは無理です。「9000人もの女性を抱いた」というAV界のカリスマ加藤鷹(引退)さんでも無理な話です…いや、彼ならひょっとすると完璧にコントロールできるかもしれませんが。いずれにせよ、一般の男性はちゃんとコンドームを付けましょうということですね。