おりものは他人と比較が難しいため、色や量、ニオイで悩んでいる女性は少なくありません(>_<)
普段は忘れているけれど、他人と比較することができないので、一度気になり始めると止まらないのが「おりもの」に関する悩みです。おりものの状態をチェックすることは、体のリズムを知るうえで大切ですが、おりものの量や性状は個人差が大きく、年齢や体調で異なりますので、神経質になる必要はありません。
最も大切な働きは、雑菌の侵入を防ぐ自浄作用です。膣口は肛門に近いため、大腸菌やブドウ球菌などの雑菌が侵入しやすい環境にあります。そこでおりものは、子宮の出口から膣にかけての一帯に潤いを保ち、中に含まれる善玉菌(デーデルライン桿菌)によって膣内を弱酸性にすることで、雑菌が増えないようにしているのです。善玉菌が減少するとカンジダ膣炎などに感染しやすくなります。
おりものの色は体調や雑菌の状態によって変化します。半透明〜白または薄いクリーム色くらいなら、悪臭やかゆみが伴わない限り問題ありません。一般的に排卵期(月経と月経の中間ごろ)のおりものは、透明でトロッとしており、黄体期(排卵後)は薄いクリーム色をしています。
下着やおりものシートが少し黄色っぽく変色しているのは、体外に排出されたおりものが空気に触れて酸化しただけなので、腐った魚のような臭いがしなければ気にする必要はありません。
しかし、おりものの色が濃い黄色、茶色、緑色ならば、クラミジア感染症、淋病、カンジダ膣炎、トリコモナス膣炎が疑われます。カンジダ膣炎とトリコモナス膣炎は、デリケートゾーンに掻き毟りたいほどのかゆみを伴うという特徴があります。
性病に感染していなくても、男性の精液の中にはたくさんの雑菌がいるのでセックスの際のコンドームはマストです。なお、月経中のセックスは、ペニスの刺激で経血中の雑菌が逆流させてしまうことになるのでNGです。
体内のカンジダ菌(カビの仲間)が原因で、免疫力が低下するときに発症しやすいカンジダ膣炎の典型的な症状です。カンジダ菌は健康な人の皮膚などに生息しているので、セックスだけが感染の原因ではありません。感染源となる「犯人探し」に時間を無駄にしないで、早目に婦人科を受診しましょう。
互いの過去に付き合っていた相手から性病が移っていた可能性もあるので、パートナーが替わったら、面倒くさがらずに性病の検査を受けておくと、多少の変化で不安を感じることはなくなります。
膣内では乳酸がつくられているので、通常、おりものは少し甘酸っぱい臭いがします。トリコモナス膣炎などの性病に感染した場合、おりものの臭いは魚の腐ったような嫌な臭いになることがあるので、早目に検査を受けましょう。ただ、雑菌が増えても臭いは強くなるし、本人の思い込みの可能性もあります。
個人差はありますが、だいたい30歳を過ぎると新陳代謝が衰えてきますので、おりものの臭いは強くなることがほとんどです。近年はデオドラント製品によるニオイの規制化が進んでいます。汗の臭い・口臭・足の臭いなど不快さをイメージさせるものは、すべて「消臭しなければ!」という強迫観念に駆られている人が多いように思います。
その結果、おりものの臭いに対しても敏感になりすぎて、ちょっとでも臭いがきついと「病気なのではないか」と不安になってしまうのです。「異常なニオイがする」とおりものの症状を訴えて婦人科を受診する女性は、本人の思い込みも少なくありません。
20代〜30代の女性は妊娠・出産に向けてセックスをたくさんする年代ですので、子宮や卵巣などに雑菌などが侵入・繁殖しないようにおりものもたくさん出ます。目の奥に異物が入らないように、目の表面にゴミが付着したら涙が一杯出るのと同じことです。
ストレスや過労、睡眠不足、風邪などで体の免疫力が低下している場合も雑菌が繁殖しやすいので、おりものの量はいつもより多くなる傾向にあります。
ムレてかゆみやかぶれの原因になることがあるので、使用するならおりものの多い時期に限定しましょう。シートがないと生活に支障をきたすほどの量なら、婦人科に相談しましょう。
細菌のおりものシートは品質がいいため長時間着用していても不快感があまりありません。その結果、ついつい朝から晩まで同じシートをつけっ放しということも…。これが原因で陰部がかぶれてしまい、カンジダ膣炎になる女性もいます。
清潔を心掛けておりものシートを使用しているのに、交換を怠ったばかりに性病になるのは本末転倒です。おりものシートは不快感がなくても3〜4時間に1回は取り換えるようにしましょう。
化学繊維よりも綿や絹の下着の方が通気性がよいので、ムレにくいですね。カンジダ膣炎を繰り返す人はパンストやジーンズも避け、デリケートゾーンの風通しを良くしましょう。
おりものの量が多い時や月経のあと、夏は暑さによるムレでデリケートゾーンが臭くなりがちですので、そういう時に利用している女性は多いと思います。
しかし、ビデを常用していると、おりものの中の善玉菌(デーデルライン桿菌)まで洗い流してしまう恐れがあります。善玉菌が少なくなると、膣の自浄作用は低下して、セックスなどで雑菌などの感染を起こしやすくなってしまいます。
また、膣の粘膜が炎症を起こしてしまい、性交痛の原因となることもあります。ビデの使用は、経血で皮膚がかぶれやすい月経中に限定するとよいでしょう。
妊娠中は免疫力が低下しがちで、感染が起きやすいので、かえっておりものの量が増えたり、臭いがきつくなります。ホルモンバランスも変化するので、おりものの性状が変わる女性も少なくありません。